私がWebづくりの世界に足を踏み入れたのは、たった一本のランディングページが、きっかけでした。
2年前のことです。友人から、「少し大きめのイベントをやってみたい」と相談を受けました。これまで彼女が開いてきたのは、10名前後の小さな集まり。それを今回は、初めて100名規模で——と言うのです。
正直に言えば、ハードルは高いと思いました。けれど、彼女の熱量は、本物でした。
まずは、やってみよう。
そう決めてから、私たちはとことん、細部を詰めていきました。来てくれるのは、どんな人なのか。どんな場所なら「行きたい」と思ってもらえるのか。参加した人に、どんな感動を持ち帰ってほしいのか。そして終わったあと、どんな関係を築いていきたいのか。
何度も打ち合わせを重ねた結果、当日のプログラムは、固まりました。しかし、本当の問題はその先にありました。
——どうやって、その場所まで足を運んでもらうか。その入り口として用意しなければならなかったのが、まさに「サイト(ランディングページ)」だったのです。
当時の私は、まだサイトづくりの経験が深かったわけではありません。それでも、彼女の思いを、どうしても届けたかった。企画段階で一緒に考えたことを、一つひとつ、ページに落とし込んでいきました。
どんな言葉なら、目に留まるのか。
どんな色を置けば、もう少し読み進めたくなるのか。
どんな構成なら、すっと頭に入るのか。
何がきっかけで、申し込みボタンを押してもらえるのか。
——そんなことを考えながら、1ヶ月かけて、作り込みました。
イベント当日、集まった人数は40名。目標の100名には、届きませんでした。もっと工夫できたことも、きっとあったと思います。
それでも、主催した彼女から、こんな言葉をもらいました。
成り立たなかった。
本当に、ありがとう。
このとき、はっきりと学んだことがあります。イベントをつくるにしても、サイトをつくるにしても——いちばん大切なのは、その人の思いを、どう伝えるかを考え抜くこと。技術や見た目より先に、まずそこがあるのだ、と。
あの経験から、私はWebづくりに、すっかりのめり込んでいきました。はじめは、趣味に毛が生えた程度。それでも、ありがたいことに、その仕事を見てくださった方が、今ではお客様になってくださり、サイトの運用まで任せていただけるようになりました。
人を思うこと。考え抜くこと。諦めないこと。——それを教えてくれたのは、あの日の経験でした。その思いは、今も、変わりません。
そんな思いで、私はこの仕事を、させてもらっています。
